5.逝去まで死後対策しない人

我想う支援日誌
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僕の目線からすると理解不能

毎年、知らない人から突然の電話で「父親が亡くなったのでお迎えお願いします」との依頼が50件~60件あり当方は全てお断りしてます。理由は菩提寺の葬式は受けない、寺に墓のある人は受けない、一般葬は受けない、そして当支援センター理念に賛同できる方のみと「対象者が限定されている」からです。

それと家族の死を考えたくない気持ちは理解できますけど、考えたくないのと考えないは別物、葬式で数百万程度なら問題なく、例え納得できない葬式でも構わないか、愚図のどちらかだろうけど、費用・内容・使用品・葬儀屋の姿勢・人間性など一切確認せず依頼できる神経は全く理解できない。

事前入会してた人でさえ「予想以上に高かった」と言ってるのを何度となく耳にすれば、葬儀屋のパンフレット・ホームぺージでは最終支払い額は正確に分からないくらいの判断はできるし「会員半額」みたいな言葉が信用できない事も利用者の後日談で分かると思うが――、どんな神経回路をしてるのだろうか。

葬儀屋と寺の話題で「安くて」「親切で」「助かった」なんて話しが普通に出ますか? この辺りは僕の感覚では全く理解できず、理解できない思考の人の依頼など怖いし責任も持てませんから受けられません。

購買心理と選択方法

依頼先の事を一切知らず、詳細も全く分からず、数万円、数十万円、数百万円の買物や依頼って普通ですか? 僕には無理だなぁ、20万円のパソコン買うにも1カ月も掛けて可能な限りの資料と競合店調査してから買うし、ネットオークションで30万円の車を買うにも同様に検討するもんなぁ、、

広告宣伝してる大きな会社でも信用できないのは、最近ならビッグモーターで知っての通り、大きい会社だから安心できる訳じゃないのは昔から見聞きしてるだろうし、暴利だから会社は大きくなれるんです。本当に安くて良い物をうり業者の事も考えてたら、利益は出ませんから会社は大きく成れません。

そうそう、ヤフオクで車を買ったと言うと「度胸がありますね」と言われますが、一般のクチコミ評価は信頼に足らない現実も多いけど、オークションは単なるクチコミでなく購入者からの評価、メールでのやり取り、最終的には引き取りに行って直接話しもしますから、広告宣伝の文字より正確に判断できるからです。

生きてる時から死んだ後の話しはするな?

この言葉を直接聞いた事はありませんが、相談者の兄弟姉妹の言葉としてなら何度もあり、結論から言うと「葬式代を全て持つなら構いませんが、そうで無ければ単なるお馬鹿です」この発言の真意は不明なれど、儲けたい葬儀屋から見れば典型的な鴨葱かもねぎです。

近未来を想定した上で必要と思われる対策を練ったり、取っておくから想定外の現実にも迅速に対応できたり、失敗確率が下がるなど賢明な言動が出来るのですから、事前に何の対策も立てず行動もしない人は単なる愚図でしかありません。あなたが、どう考えようが終幕は確実にやってくるのです。

例えば、老夫婦世帯で父親が逝去すれば母親単身となり、年金は半額で生活は厳しくなるから母親の生活を守るなら、子供と同居か、子供達で生活費補填する必要が生じると想定できます。更に認知症になれば施設入所か同居を検討する必要もあるなど、葬式内容より大事な優先順位がある事に気づくはずです。

父親逝去後の母親を守る事が最優先なら『残る母親の生活を守るには――、』から逆算すれば、それが父親でも母親でも、我が家は、どんな葬式にすべきかも見えてくるから、両親が健在な段階で家族で話し合い、全員が納得できる流れを意思統一しておくことも可能です。

また話し合う時点で両親揃って元気なら、例えば葬式で150万円掛けるなら、50万円は葬式関連で残し100万円で豪華な旅行を両親にプレゼントしてはどうか? と検討することもできるのです。

前橋には「明寿大学」なる老人が学ぶ制度があり、同じ建物内にNPO支援センターがあった事から「100万円を好きに使えるとしたら、生きてる時に使いたい?、死後の葬式で使って欲しい?」と聞くと100人が100人「生きてる時に使いたい」これが老人の本音、葬式代は金が掛かるけど仕方ないの発想です。

死後より生きてる時が大事

死後の世界があるか無いかは誰にも分かりませんけど、人が生れた目的は、子孫繁栄もありますが、生まれた瞬間から不公平な人生なれど、自分に与えられた自分の人生を精一杯楽しんで生きる事だと思ってますから、死後に大金を掛けて騒ぐより生きてる今を楽しむ為に「金」は使うべきです。

時々墓を建てたいと相談に来られる人がいますが「墓は要らないから、150万円の予算の100万円で新婚旅行と同じ宿に泊まり、同じルートを歩いて当時より豪華な思い出になる旅をして来なさい」旅の途中で互いの人生を振り返り、良かった点は続け、見直しが必要な点は改善しようと話し合い、人生の幕を閉じる時が来たら「あなたと一緒に人生を歩けたのが一番の幸せでした」と言えるスタートにしたらと伝えます。

配偶者死後の生活に焦点を当て、そこから逆算して得られる小さな幸せ――、人間の死は自然の摂理、今生を諦め不透明な死後への逃避より、今をどう生きるか、少しでも幸せを感じられる生き方をしようと意識する事が大事、そこに気付けば今までと違った人生観が得られるかもしれません。

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