11.位牌は棺に入れて持たせる

我想う支援日誌
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位牌は寺に持って行く、何で?

施行委託をしてた当時、家族から
「仏壇にある位牌はどうすれば良いでしょう?」と言われたので担当者に聞くと
「あ、それは寺に持っていけばお炊き上げしてくれますよ」と言われたので
「それって無料なの?」と確認すると
「いや、いくらか払うと思いますよ」
「いくらかって?」
「1本1,000円くらいから1万円くらいですかね」と言われた。
「お炊き上げってどんな事するの?」
「さぁ、その辺りは良く分からないですね」

お炊き上げ、ようは燃やすこと

地域によっては正月明けに正月飾り・お守り、だまる等を積んで燃やす「どんと焼」の慣習があり、同様の事は神社や寺でも行い位牌類は年に1度まとめて燃やす寺や神社もあれば、定期的に燃やす寺もあるようで、墓に供えた塔婆はまとめておき、溜まると焼却炉で燃やす事から御札類も同様の処理でしょう。

位牌を守ってた故人の棺に入れる

寺に持っていき処理費を払えば処分して貰えるのは確かだけど、何となく違和感を感じたので、どうすべきか考えてみると『位牌は故人の両親、祖父母など先祖で守ってきたのは故人です』白木位牌、黒塗り位牌、いずれも位牌は木材ですから燃えますので『故人の棺に入れて持たせるのが最善では?』と思えた。

父親方の位牌は父親の棺、母親方の位牌なら母親の棺に入れて持たせてあげるのが道理、あとは子や孫達で祖父母や両親の位牌を持っていたい人がいれば預ければ良く、持ちたくない人は棺に入れて持たせれば理に適い、無駄な出費もでませんからベストです。

火葬場で何か言われる事はない

当支援センターは15年ほど棺に入れてますが10本入れたとしても何か言われた事はありません。火葬炉から出した位牌は灰になってますが、黒檀系は文字も読め、白木、黒塗り位牌は形が崩れる事が多いです。

また仏壇の処分として前橋市はタンスと同様に行政の焼却場に持参すれば業者が処分してくれますが、高崎市の場合は1個500円の処分費を払いチケットを貼って自宅前に出しておけば持って行ってくれるなど、各行政毎に対応は違いますので確認しましょう。

良く「魂抜きは?」と聞かれますが基本要りません。気になる方は自分が信じる人に読経なり何なりして貰えば良くそれなりの費用は掛かるでしょう。少なくとも数十本の仏壇処理をしてきましたが、一度もたたられた事はありませんから心配要りません。後は自分の気持ち次第です。

家族の写真は当り前に入れる時代

話のついで、昔は家族の写真を入れると連れて行かれると言われましたが、今は孫の写真、家族の写真を当然のように入れる時代、当支援センター家族葬で遺影は基本使いません。理由は誰の葬式か分っている人だけ参加しているからで、直接故人の顔を見ることもできるからです。

それでも遺影が欲しい人は2Lサイズで遺影作成したり、故人単独写真を額に入れ持ってくるよう伝えますが、大きな四切遺影の作成は年間1~2件程度、小さな遺影を勧める理由は出来れば仏壇でなく、故人がいつも過ごした居間に置いてあげてくださいと伝えます。

また最近は天井鴨居に遺影を飾る家は激減しており、最後は押し入れ保管となる確率も多いことも四切遺影を使わない理由のひとつ、先祖の遺影がある家族は位牌同様に棺に入れて持たせましょう。お札類などゴミ箱に捨てられず処分に困り可燃性の物は棺に入れましょう。

但し注意するのは「本類」1枚2枚の紙なら問題ありませんが、冊子になると空気の層があるので燃え残るのが書籍ですから基本「本」は棺に入れられない物のひとつです。

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