10.供物・生花への疑問

我想う支援日誌
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1時間の葬式に供物数十万円?

孫一同で灯篭を供えるから始まり、大人になると自分の名前で生花を出したりと数千円~数万円の飾り類を供えるのは支援事業を始めるまで当然と思ってましたが、施行する側からの冷静な目で見ると、わずか1時間の葬式に使用する灯篭類、飾り供物、生花スタンド、豪華な生花祭壇は『不要・無駄』としか思えない。

供物類は葬式が終われば置き場所に困る事はあっても玄関に飾れる物でなく、生花祭壇は1時間、生花スタンドの一部は自宅祭壇に飾れても大半は花屋が持ち帰る――、ようは葬式を派手で豪華に見せたい見栄でしかないのだが、そもそも葬式を派手に見せる意味が分からない。

本当に供養したいなら現金を家族に渡すべき

2千数百件の葬儀支援をすると、かつては喪主を勤めた故人も増え「代表、頼みますね」と事前に伝える対象者も多く「頼みますね」の真意は葬式依頼でなく『残る家族の生活に支障の出ない葬式を頼む』ということ「うん、安心していいよ」と伝えると黙って微笑んで頷く人も多い。

あんしんサポートが対象者家族にどんな葬式を提案するか分っているからであり、余裕が無い家族や対象者は、その旨を事前に伝えてくれる家族も多く、家族の生活が守れる葬式準備として対象者に自書で葬式について書いて貰ったり、動画で撮影しておく事を勧める事もある。

これらは全て『口は出すけど金は出さない親戚対策』、そう考えると親戚より気軽に本音が言える存在なのだろうけど、本音を言って貰えなければ個々の家族の財布事情まで分かりませんから、事前相談の時点で「もし入院等でお金が無い時は遠慮せず言ってね」と伝えてあります。

10万円貰えば、後で10万円包んで返すなら、お互い様と考えれば、香典、供物類など不要なんだけど、過去の経緯があって廃止できない家系の人は供物代・生花代は現金で家族に渡すのが家族にはベストだろ!? また差し引きゼロになった親戚から「この悪習慣を廃止するから香典辞退します」とすれば良いだけの事だ。

苦言を呈せるだけの事はする

公営斎場も然り、何で式場に何も無いでかい祭壇を置くんだろ!? 祭壇が大きいとは沢山飾れ、金を掛けろと言ってるようなもの、個人的には何も無い祭壇でも構わず、そもそも祭壇すら無用と思うが、過去の慣習からして何も無い祭壇を見た親戚はとやかく言うでしょうから、試しに、あんしん館式場祭壇に、これ以上飾るとウザイと感じるまで飾ったら30万円相当でした。

わずか1時間の葬式に30万円の支出は無駄、釈迦にちなんだ物を適当に作り、回転灯を飾ったりする何処が供養なのか理解できないけど、豪華な雰囲気になるのは確か、過去の慣習からしても、寂しい祭壇では残る家族の心理として故人に申し訳ない心持ちにも成り得るでしょう。

そこで飾った供物類を200施行使えば1施行1,500円、家族葬だけでなく、直葬も含め全プラン搬送直後は豪華な祭壇前で納棺安置、末期の水を取り、線香を供え、最終打ち合わせの流れとすれば、あんしん館安置の全会員が同じ恩恵を受けられ、全家族が供物類は一切購入する必要が無くなります。

1件1,500円の赤字など当支援センターで実現してるのだから、一般の葬儀屋なら全く問題ない支出でしかなく50万円、100万円の供物を供えても問題ないだろう。あるとすれば、その分の売上が確実に減少する事なんだけど、その結果として利用者数が増えればプラス要素だと思うが――、

葬式で馬鹿騒ぎする時代じゃない

30年以上不景気が続きインフレで物価上昇して生活が苦しくなってる今、葬式に100万円以上掛けられる時代で無いのは誰でも分かるだろう。もし馬鹿げた発言をするとしたら葬儀屋と宗教者だけじゃねぇ、なら聞くが葬儀屋と宗教者と口を出す親戚は残る家族の生活の面倒を看てくれるのか!?

面倒看てくれないのなら無責任な暴言は止めて黙ってろ!が僕の本音、これは生花や供物だけの問題で無く葬式そのものの在り方への苦言なんだけどさ、供物生花を始めとして、ひとつひとつ無駄な理由を挙げて納得できれば、葬式そのものが変革期にある事も理解し易いと思う。

今回の話題は公営団地を筆頭に各自治会、自治会連合などで検討して欲しい点、詳細は次回書きます。

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