「3」葬儀支援の後継ぎは簡単ではない

我想う支援日誌
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最近時々聞かれる言葉に「私が死んだ時も続けてるでしょうか」といった類の質問を受けますが、本音を言えば「そんなの分らねぇよ」しか言えないのは葬儀社に限らず全事業共通です。

倒産で言えば、あんしんサポートより大手のほうが間違いなく可能性は高く東証一部上場企業でさえ倒産する時代ですから大手といったところで葬儀社の倒産など珍しくもなく、あんしんサポートの倒産確率が低いのは前回ブログで書き過去の経験則で学んだ「16年間無借金経営」だからです。

同じように考えてる人達もいるでしょうから、その辺りについて回答しておきたいと思います。

皆さんは利益を出す事を目的とする一般企業葬儀社と、残る家族の生活が守れる葬式を目指す支援事業を混同されてるようですが、葬儀支援事業は誰にでも続けられるものではありませんと断言します。

もし、あなたが支援事業を経営するとして365日24時間電話が入れば、夜中でも、例え体調が悪かったり、多少熱があったとしても、いつでも飛び起きて支援活動ができますか?

酒は飲めず、決められた休日もなく、旅行にも行けない仕事は問題ないですか?

時には5分差で依頼が入ることもあれば、1日4件依頼が入ることも不思議ではなく、時間調整しながら火葬までの日程を頭の中で整理、整頓、修整を繰り返して過ごす数日間となります。

そうまでして頑張った対価は直葬の場合「税込75,900円」です。
「搬送車両費」「安定枕付搬送シート」「6尺山型蓋付白布棺一式」「48時間分ドライアイス」「届出費用」「祭壇供物1.500円(30万円の1/200額)」「霊柩車両費」「7寸白骨壺と銀貼箱」そして「延べ3日間の総人件費」まで全て含めた総額が75,900円です。

上記原価や諸費用を差し引けば自分達の人件費さえまともに出ない設定、これでも葬儀支援が儲かると思いますか? それをしたいと思いますか?

「なら値上すれば!?」その通りですが、69,000円+税が大変な家族はいくらでもいるし葬儀支援とは余裕のある人でなく、余裕の無い人達への支援なので可能な限り国保葬祭費5万円に近づける事が設定目標であって葬儀社の行う葬式代行が支援ではないのです。

当社が行う支援事業は儲けたい人はできません。休日が欲しい人もできません。睡眠はしっかりとりたいなど規則正しい生活がしたい人にもできません。人の死はあなたの体調など考えてくれません。

支援した家族が喜んだり感謝してくれる姿に生き甲斐を感じ、儲かりはしないけど何とか食える状態で満足できる人にしかできません。

だから息子達に強制などできません。それを他人である社員に求められるはずがありません。社員募集しなかった理由のひとつがこれで支援事業がしたいと応募した人達でも給料と休日と待遇が本音、またボランティア希望の方もおられましたが、自分の空いた時間と我々が人手が欲しい時は違うのです。

葬儀支援を継承できるのは血縁でなく我々と同じ発想と資質を持ってる人にしかできないのです。

だから同様の質問をされた方には「それが不安なら入会すべきでなく受ける気もない」とハッキリ言います。この質問は言い方を換えると「あなた達の苦労は分るけど私が死んだら対応してくれる保証がなければ入会しても意味ないでしょ」と言ってるようなもの「大丈夫」と嘘は言えますが会員を増やしたい訳ではないので本音で答えてるに過ぎません。

一代で終わる支援活動かもしれないし同じような資質を持った人が現れれば需要は増えるから続くでしょう。また僕が人生の終幕を迎えても千明が生存してるうちは人手があれば続けられるでしょう。

但し、誰かに頼まれた訳でなく、強制されたわけでもなく、我々が好き勝手にやってる事ですから会員家族に「恩をきせるつもりはありません」当方の対象者で支援が必要なら遠慮せず予約された上で来館され我が家の事情や本音を語り、当社の本音を聞いて必要なら入会されると良いでしょう。

2016年当時62才、10年後を想定して全て決定した

・当葬儀支援は誰にでもできる訳ではないと分った事
・拡大すれば低料金ではできない事も分った
・されど支援事業内容は満足できるに至って無かった
・現状の依頼数が続いたら10年間は身体がもたない
・限られた地域内でやってる程度の今なら影響も少ない
※ その結果「免税事業者への道」を進む決意をしたのです。

次回、「4」免税事業に向けた布石

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