修行自慢する僧侶に苦笑

我想う支援日誌
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これまた前回ブログを書く中で思い出したのが「自分は修行した宗教者であると吹聴」する住職の話、これは僕自身でなく、檀家や一般の人達に向けて発した言葉として何度と無く利用者から聞いたもので最近は余り聞かなくなりましたが、10年ほど前は頻繁に聞いた言葉です。

今から10数年前、どう考えても布施が高過ぎると低謝礼で引き受けてくれる僧侶を探した時期もあり10万円で読経と信士信女戒名付なら結構いて、菩提寺の行う葬式も受けてましたから同様の金額交渉をする家族も多かったです。

すると「私は修行をした僧侶ですが修行もしてない偽物僧侶も多いので注意したほうが良い」と言われたそうで「修行は大変なのでしょうね。どれくらいの期間修行されたのですか?」「はい、1年です」と聞いた瞬間「・・・・」と言葉が出なかったそうです。

依頼せず戻って来られたそうで、その方は「世の中に1年の修行で一人前になる仕事なんてない。うちの会社で1年はヒヨコ扱いで雑用係ですよ」と言ったのを聞いて苦笑したのを思い出しました。

修行について僕の意見

個人的な感覚で言わせて貰うと年数は問題でなく何の為の修行かです。修行は自身の為で檀家の為に行うものではありません。また厳しいか優しいかは個々の感覚の違いもあり、修行から何を得るか自身の内面変化が修行の目的であって対外向けのパフォーマンスでは無いはずです。

過去2,000件の葬式で何人の僧侶と逢ったか覚えてませんが、90%以上は人間性も含め信頼に足る人物や尊敬に値する人物とは思えませんでした。その最たる理由のひとつは「様々な事情で金銭面で明らかに余裕が無い家族からも当然のように高額な布施を請求する姿勢です」

偉そうに仏教云々うんぬんを解いた口が乾かないうちに高額な布施が当然で「それが当寺の決まりです」と主張したり、「布施はお気持ちで――、」と言いながら、家族は精一杯のつもりで5万円包むと「足らない」と平然と言うのですから僕なら「ふざけるな!」と一喝してその場を後にするでしょう。

無信仰者で凡人の我々でさえ『残る家族の生活が守れる葬式をしましょう』と公言して実行し続けてる訳で、とても宗教者とは感じられず霊感商法としか思えない人の読経、戒名の対価が30万円、50万円、100万円の価値は感じませんので菩提寺の葬式は受けないと公言したのです。

『修行は耐える事』と考える人と『自身の鍛錬』と考える人の違いだと思う。

アスリートを例にすると、監督に言われた事をする人と、もっと上手く、もっと速くと自分を高みに引き上げようと鍛錬する人では雲泥の差がつくし、前者は「辛い修行」と考え後者は「当然の事」と考え訓練や鍛錬を他者に吹聴することはないでしょう。

修行には色々あって「毎朝4時起床して冷水を浴びる」とか「朝起きたら2時間瞑想する」とか「毎日50k歩く」とか内容は全く分りませんが、様々な修行を最初に始めた人は誰かに言われた訳でなく自分の邪念や煩悩を払うなど自身の目的成就として自分に課したものでしょう。

そう考えると檀家の人達がよく言う「先代は良い人でした」、これは宗教者を目指した人と、寺に生まれたから住職になった人の違いと考えると納得できる言葉、中には僧侶は偉いと勘違いしてる人が虚栄を貼る姿は滑稽で笑えます。

我々のような凡人でさえ可能な限り低料金で高品質で家族目線に徹した葬儀支援の実現を目指すと決めた時から、以下のような類は68才の今も当たり前に続けています。

「24時間体制を2名でやり抜くには酒は飲めない」
「厳冬の午前3時に呼ばれても飛び起き、徹夜も確定」
「いつ呼ばれるか分らず家族旅行は行けない」
「365日24時間体制で15年間無休(2023年正月は2日休めた)」
「たとえ熱があり体調が悪くても呼ばれたら対応」
「胃癌手術翌日からパソコン仕事を開始」など修行と呼べそうな事は書き出せばいくらでもあります。

また家族優先を貫くと赤字設定になるが、他の仕事から得た利益補填で継続させる事で胸を張って52才から16年続けてますが、誰かに頼まれた訳でも褒められたい訳でもなく、自分で選択した道を完遂、納得する為の手段に過ぎません。

先述の僧侶はこの当り前を「辛い修行」と思ってるように聞こえ、1年間の修行は意味が無かったようにさえ聞こえます。サラリーマン、自営、どんな仕事も辛くて嫌なら辞めれば良く我慢は美徳ではありません。辛い事は続きませんから自分の性格と資質に合った仕事を探したほうが利口です。

好きで続ける事に愚痴は出ず、人をねたむ事も、人と比較する必要もなく、自分の信じた道を歩き続ける事で慕ってくれる人達がいたら裏切ることの無い言動と姿勢を貫けば、より一層の信頼が得られ重圧も増えますが、よわいに関係なく生き甲斐の持てる人生を歩ける。それで充分です。

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