我が武井家は『曽祖父母からの墓』と『母親が建立した墓』と2つの寺に墓があり、母親の死後に後者を墓閉じしようとしたら妹が墓守すると言うので任せましたが、曽祖父母からの墓は家業倒産後から従兄が55年間墓守してきた墓、ただ従兄に家族はおらず従兄の弟は頼りにならずです。
両親や姉は入ってませんが幼少期から育ててくれた祖父母が入っているので無縁墓にはしたくないと考え、この仕事を始めてから祭祀継承の法律がある事を知り、墓閉じするよう伝えてきました。
50代だった従兄は「そうだよなぁ」と言いつつも余り気乗りせず、そのまま現在を迎えてましたが10年ぶりで逢った従兄は小脳が縮小する難病で歩行、口の動きなどの運動能力に支障が出たそうで、一気に老け込んでたのには驚きましたが、幸いな事に記憶、思考などは全く問題ないようです。
僕自身も70才となりいつ終幕が訪れるか分かりませんし、今の仕事をしていられるうちなら援助できると伝えると、ようやくその気になったようで数回逢って墓閉じの話を進めてきました。
最も話の時間の90%は幼少期からの昔話や雑談でゲラゲラ笑ってですけど、来月初旬には墓閉じと散骨が完了する運びとなってひと安心、その旨を嫁さんと息子にも伝えると納得してました。
祭祀継承
民法第897条に定められており、系譜、祭具、墳墓といった祭祀財産は、祭祀を主宰すべき者(祭祀承継者)が相続とは別に継承すると規定しています。祭祀承継者は、被相続人の指定、慣習によって決まります。
誰も継承者が現れない場合は家庭裁判所が決定、指定された場合の拒否権はありません。但し祭祀承継者として祭祀を営むかどうかは本人の意思によるもので、墓終い等の判断は継承者の自由です。
「1」墓守の有無を確認する
50代で墓のある人は『墓守の有無を対象者に確認』した上で墓を存続するか墓終いするかの判断する事、息子がいるから大丈夫的な発想をすべきではありません。それは僕自身のことを考えても無信仰者で墓無用と考える人間だからです。
「2」墓閉じ費用
① 墓撤去(更地戻し)費用【墓の形状墓所決まりにより10万円~50万円程度、大型墓地は別】
② 遺骨処理費用【散骨・手元供養の他、樹木葬、永代供養墓などは要改葬許可】
③ 仏式は閉眼読経費用【最近は3万円~5万円が多い】
④ 離檀料【法律は払う義務なく、マナーや感謝の気持ちは互いの関係によるので強制されるものでない】
「3」お勧めは散骨+少量手元供養
墓閉じして墓に移転させるような記事が多いけど理解できません。墓閉じの多くは墓守不在・改宗であって移転による墓閉じの確立は低いからです。
乾燥した粉骨にして少量を手元で供養するのがベスト、転勤族なら持って行けるし、手元供養なら足腰が弱くなっても問題なく費用も掛かりません。最終的には自分と一緒に散骨して貰えば究極の断捨離です。
「3」進め方
① 墓の撤去更地戻し費用の見積もり【最低3社から相見積もりを取る。注1見積り無料はあり得ない】
② 納骨されてる遺骨の処理費用算出
③ 支払いに問題無ければ、その時点で初めて菩提寺など管理者の墓閉じの旨を伝えます
④ 依頼以降は石屋に任せれば良く、遺骨は処理してくれる業者が全て行ってくれるはずです。
注1見積り無料はあり得ない
墓まで足を運び、フタを開けて骨壺の数を確認させ、撤去費用を算出させるのですから、それで依頼するなら良いけど、断られたら赤字ですから無料はあり得ません。
また無料見積りをする石屋は工事は工事料金に乗せるか、工事の途中で上乗せするでしょうから、ならば初めてから1万円程度の費用を払ったほうが利口なんです。
「4」収入があるうちに実行
現役なら労働収入がありますから多少厳しくなっても乗り越えられますが、年金生活に入ると実質手取りは毎年のように減り続け、加齢による医療費は上がり続け、更にインフレ基調による物価高騰が続いてますから、墓閉じ費用の捻出が難しくなるからです。
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