葬式は見栄の張り合いですか? 世間体ですか? 慣習ですか? 或いは葬式とは単なる形式ですか? もしくは宗教儀式の事ですか? 個人的にはどれも違うと考えます。
見栄、世間体、慣習は勿論、形式とは張りぼてのような上辺の形ですから違うし、宗教儀式であるとしたら僕のような無信仰者に葬式は無いってこと!? そんな事はあり得ませんから、1つひとつじっくり考えればどれも違うと分かります。
そもそも葬式は死後に行うことなのでしょうか? だからといって生前葬を勧めているのではありません。大切な人達と互いに永遠の別れを受け入れる為の時間こそが『真の葬式』だと考えます。
知り合いの人なら1分もあれば受け入れられますが、配偶者・子供・両親・祖父母・恋人など大切に思う人達との別れは簡単でなく、数年を要する人がいても不思議ではありません。
葬式には三つの段階がある
葬式には「生前しか出来ない前葬」「死体処理をする本葬」「死後手続きの後葬」と3段階があり一般的に言われる葬式は本葬を指しますが、一番大事なのは間違いなく『前葬』です。
端的に言うと死んでから騒いで何の意味がある? 例え何千万円掛けても生き返る訳でなく、本当に逢いたいと思う人なら死後でなく生きてる時しか無いだろ!?
大切な人と食事をしたり、出掛けたり、お茶をしながらじっくり話したり、アルバムを見ながら人生を振り返ったりと一緒に過ごしながら感謝の言葉を伝えあったり、謝罪したりと『やるべき事、できる事は全てした』と思えれば後悔の念は消滅せずとも減少できるのではないでしょうか?
葬式は宗教・建前・見栄でもない
上記の中に宗教・建前・見栄は存在せず、別れの受け入れは自分以外は誰にも分かりません。正確ではありませんけど受け入れの経験をされるのは何年も自身で介護をされた人、ようは一緒に時間を過ごした人以外は理解できない心境のような気がします。
でもそれを勧めはしません。なぜなら一歩間違えば自分の心を壊してしまう可能性もあるから、対象者との別れを受け入れる事以上に『自分の心と身体』を守る事は優先すべき、対象者にとってもあなたが大切な人であるなら、あなた自身を壊してまで面倒を看て欲しいとは思わないからです。
本葬・後葬
前葬で出来る事をしたなら、本葬は『温かく送ること』だけを考えればよく、例え親族でも義理で来て貰う必要も無ければ、来たら面倒な人なら呼ぶ必要すらありません。
後で文句を言われたとしても確実に付き合いは無くなる人だし、親戚に気を遣い続ける葬式では温かく送る葬式には成らないからです。
余談ですが家族でも親戚でも無理して付き合う必要はありません。そもそもそんな親戚との交流は最低限だろうし交流は無くても問題ないからです。
死後の火葬と遺骨処理は避けられませんが、それ以外はどうでも良いので財布と相談しながら、無理のない範囲で済ませられる方法を具体的に検討決定しておく事です。
終幕を迎える前で無ければできない事もあり、後葬手続きをスムースに進めるには存命中の動きが大事なのでいくつか実例を挙げておきます。
・定期預金は解約して普通預金にしておく
・死後に伝えたい事は遺言書に残しておく
・子供のいない夫婦は遺産分割の対策を考えておく
・借金が多い故人なら病院等の支払い、賃貸物件の契約等は要注意・・・等々
いちいち詳細まで書きませんが、その時がくれば否応なく実感するはず、ぶっちゃけ葬式より大事な事もありますので夫婦や家族の誰が終幕を迎えたとしても良いような対処をしておくべきです。
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