完全会員制度の理由

我想う支援日誌
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先日葬儀された家族から、知り合いの家族が逝去した際、依頼先相談を受けたので、断わられる可能性もあるけど、一応当方に連絡してみたらと伝えたそうですが「会員限定なので申し訳ありません」と想定通り断られたが、逝去後の入会が出来ない理由の説明が出来なかったので教えて欲しいと言われました。

非会員からの依頼は受けない等々の理由はホームページにも明記してあり、全会員に書面送付してあるのですが詳細は長文になるので簡略的に記載してあるのは事実、葬儀屋なら依頼を断りませんから不思議に思うのも無理はありませんが理由のひとつに下記の問題が発生する確率も高い事です。今回は長文になると思います。

対象者の条件があるから

葬儀屋とは葬式代行で利益を得るサービス業、これに対して、当支援センターは余裕の無い家族を主対象とし、残る家族の生活を守る事が主目的、ですから対象者が余裕の無い家族と明言すると簡単ではありません。最善は国保からの葬祭費5万円で骨壺に納まれる事です。

分り易く言えば『一銭も無くても支給される葬祭費5万円で骨壺に納まれる設定がベスト』、2010年に完成しましたが消費税の引上げで継続困難となり試行錯誤の末、2024現在75,000円税込の設定となっています。

通常は「原価」+「諸経費」+「利益」=『売価』に対し、国保からの葬祭費が料金基準で誰が見ても違和感の無い品質で追加不要となれば赤字覚悟の設定にしかなりません(詳細はホームページで確認できます

利用した家族からも「もう少し料金を上げても良いのでは?」と言われますが、上記赤文字が主対象、その最たる人達が生活保護受給枠からわずかに外れる人達、厚生年金の無い自営してきた人、農家の人、などですから、少しでも安くして、せめて死後費用の不安だけでもせず生きて欲しいからです。

我ながら余分な公言をした感は否めませんが、知らなければ気にならずとも、実態を知ってしまい、その対策が見えてしまった以上、これが俺に課せられた生き様であり使命なのだろうと思うわけです。

されど実現は想定以上に厳しく、最低人員の2名で365日・24時間体制・無休・低報酬、更に当方理念に賛同してくれる「寺」「業者」「家主」さん達の理解と協力が無ければ不可能、それでも利益は出ませんから、赤字補填ができる事業の展開も必須、となれば寝てる時間以外は全て投入し続ける覚悟が必要、言うは易し行うは難しを16年間実感してきました。

ところが現行の葬式の中には、当方理念に反する現実ばかり、僕には理解不能の「高額な布施」を要求する菩提寺の行う葬式を否定するには対応策が無ければ絵に描いた餅、幸いにも10軒ほどの住職が「こういう場所は絶対に必要」と超低報酬で対応してくれ超低料金家族葬も完成、当然ながら菩提寺の高額な布施では、何の為に我が人生を掛けているのか分かりませんから菩提寺の葬式は全て受けておりません。

2千件以上の施行経験則から「対象者は一般葬を希望しない」事、また県内とは言え遠方地域では不可能な対応のひとつ「遠方の自宅安置」等、他にも対応できない点もあります。

もし非会員から葬式依頼の電話で搬送した場合、安置後に「菩提寺の葬式」「寺内の墓地」「一般葬」「遠方の自宅安置」「30名の家族葬(20名上限)等が希望の家族なら、安置してから「受けられません」では家族が困りますから最初から受けない選択肢しかないのです。

「事前相談」は事前予約・入会する目的

葬儀屋の事前相談は葬式依頼者獲得手段ですが、当方事前相談は「上記確認」「当方理念伝達」「家族の希望と事情の伝達」そして「個々の家族に必要なアドバイス」と短時間ではできず、最短でも1時間、通常は2時間~3時間も決して珍しくありませんので、葬式もあれば、搬送・散骨など様々な仕事もありますので、全て事前予約して頂くことになってます(終幕は突然ですから予約変更して頂く事もあります)

数時間を費やして相談者・当方の考え方を本音で伝え合い、内容は勿論、明確な費用、存命中の今しかできない事、死後手続きなどのアドバイスを受けた家族が入会手続きをすると『安心しました』『ホッとしました』と死後の不安が解消されることが事前相談の最大目的です。

全世帯の30%が老人世帯・独居老人750万人の時代

17年前(2007年)直送は葬式ではないとさえ言われましたが、独居老人は増え続け、年金は下り続け、税金と医療費は上がり続けるから、2030年代、団塊世代が80代の終幕期は高額な葬式どころでなく、亭主を亡くした老婆は少額年金しかなく日常生活すら侭ならない現実になると公言した。

当時はピンと来ない人のほうが多く様々なバッシングもありましたが、最低目標として『直葬も当たり前の世の中』にしておく必要があると孤軍奮闘、コロナ感染の影響もあり直葬は市民権を得られ目的達成した。

されど老人の多くは昔ながらの仏教式を望む人達も多く、直葬の全国平均料金での家族葬を創り出そうと試行錯誤、2020年2月、2024年現在の設定である読経・居士大姉戒名付・豪華な祭壇供物が供わった当式場で、追加不要の家族葬が税込17万円と家族葬相場(150万円~200万円)の1割料金まで辿り着きました。

堂々と発言できるだけの根拠創りは楽じゃない

評論家は腐るほどいて、自分では出来もしないくせに他人様の事を、あーだ、こーだ言ってるだけですから、誰にでも出来る簡単な事ですが、ものを言うなら言えるだけの根拠が必要だと思ってる。「残る家族の生活が守れる葬式」と言うなら、それを実現できる葬式プランを創らねば口だけの人でしかありません。

「最終章・高い葬式なんて要らんよ」にも詳細を書きましたが葬式とはなんぞやから始まり、本当に必要な項目は全て満たし、どうでも良い項目は削除する事で費用を抑え、必要なら追加できるシステムを創り出し実践するのは決して簡単ではありません。

葬儀屋がそれをしなのは、儲けてる葬儀屋に協力する寺が無い事と、客単価が下がり利益減少が明らかなのと、利用者である家族目線だけで推し進めてきた結果の『完全会員制度』です。

大都市の福祉課が参考にできる内容と料金

それと、もうひとつ、群馬県桐生市で問題になってる生活保護費は、全国的に多大な影響を及ぼしてるはずですから、結果的に今より厳しい対応になる可能性が高いです。また大都市を中心として葬祭扶助費は上がり続けてるはずですから、行政主導の葬儀支援事業は絶対に必要となっており、16年に及ぶ当方の支援活動1は参考になるでしょう。次回は、この問題への提起をしたいと思います。

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