失敗する人は「俺が客なら」じゃ無いから

我想う支援日誌
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経営者人生30年以上の中で結構な数の起業したい人達と逢ってきましたが90%の人は『何で起業しようと思ったんだろう』と思う人達が多いのに驚きます。

子供の頃『大人は勉強しなくても叱られないから良いなぁ』と思った経験のある人は多いと思うけど、その感覚レベルのサラリーマンが多いのにも驚きです。

『自分に都合の良い夢物語を語る人』『フランチャイズ本部に洗脳されてる人』『サラリーマン生活から逃げだしたいだけの人』そして共通してるのが『俺が客なら』では無くて『こうすれば客は喜ぶ』と妄想発言する人が多いのが特徴です。

『俺が客なら』とは
料金、内容、品質など様々な要素と支払う金額によって『満足』『納得』『不満足』などの判断は全て「利用者目線」での発想ですから実際の利用者との格差は小さくなります

『こうすれば客は喜ぶ』とは
あくまで経営者目線からの想定であって的外れの事も多く『こうすれ客は喜ぶはず』という事です

このちょっとしたボタンの掛け違いは、1度の角度差が1km先では17.5m離れるのと同様で、2度、3度の角度差は1年後、3年後、5年後には全く別物にさえなり得るわけです。

話しが分りずらいでしょうから1例を挙げてみます。
もう10年は経ったでしょうから話題にしても時効でしょう。

同級生が弁当屋を始めたいからアドバイスを聞きたいと来てくれました。
聞いてると「注文から作って渡すまで30秒短縮できれば――、」みたいな話題に何が言いたいのか、何をしたいのかさえ分からず、おかずを1品増やしてやれば喜ぶだろ――、的な話題も理解できません。

「弁当作る時間が30秒違うってどうでも良くねぇか!?」
「おかずが1品増えても分らねぇよ」

弁当屋始めるなら近所の社員数が多い会社を周ってアンケート取ったらどうだ? 例えば――、「1か月毎日内容が違う弁当」とか「1食500kcalのダイエット弁当」とか「ご飯特大盛弁当」とか1か月予約で毎日配達するとか、ある程度売上の見込みができれば仕入れも楽じゃねぇか!?

などなど色々話しましたが、どうも話題が噛み合いませんでしたから「聞いてる限りで言うと今はまだ計画検討段階として、すぐに弁当屋は始めないほうが良いと思うぞ」と言いました。

しかし、少なくとも1千数百万円以上を掛けて新築、借地料を払って開業しましたが数年で廃業、解体費等も含め結構な額の借金だけが残ったはずです。

何故『俺が客だったら――、』の発想に至らなかったのでしょうか、フランチャイズ本部の「はぁ?」としか思えない教育を信じてしまったのでしょうか・・・

美容室スタッフにも『こうすれば客は喜ぶ』と得意そうに言う人達もいましたが、その全てを完全否定してきました。その発想は全て施術者である自分からの発想であり利用者の真の声では無いからです。

繁盛店の店主は『客の要望に応える姿勢』が多く、閑古鳥が鳴く店主は『客の希望を推測で決める』といった違いがあるように思えます。

利用者が増え続けてる事業は『俺が客なら――、』の立ち位置で事業をし、減少傾向の事業は『こうすれば客は喜ぶ』と勝手な想定で事業しているのでは? どちらかは数年間の実績と流れが正誤を教えてくれてることでしょう。

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