あんしんサポート葬儀支援センター 著書:無信仰者の葬式参考書

家族目線より大事な事が多い『故人目線』

我想う支援日誌
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経験則で言うと「残る家族の生活を守りたい想い」は家族より故人のほうが強く、病床でも「俺の葬式は焼くだけで良いんだからな――、」と念押しをされる故人も多い事が家族との話しで分ります。

されど家族は無責任で好き勝手言う親戚の手前や、精一杯の事をして送ってあげたい家族愛もあり、少しでも供養になればとの思いで読経や戒名を依頼する家族もいます。実際は読経や戒名で故人が浮かばれる事などないと分ってはいますが他に方法が分らないのです。

その意味では故人となった対象者のほうが冷静な判断をしており「火葬だけで良い」とあえて伝える事で自分達の生活を優先するよう思いやってるわけで終幕を迎える当人は家族思いでとても健気けなげです。

逝く人が残る家族のことを心配し思いやる優しさを感じるから、残る家族も精一杯のことをしてあげたい思う心境を察するのは想像に難しくありません。

でも故人が病床の中であえて「焼くだけでいい」と伝えた真意を思うと『故人の意志を尊重すべきだしそれが最初の供養です』と伝える事も多く、故人が守ろうとした家族の生活が守れる無理のない葬式を提案アドバイスするのが葬儀支援です。

自分の葬式を心配しながら逝った人を知らない

2,000施行の中には自分の葬式を豪華で派手で院号を付けて欲しいと気にしながら逝った人も皆無とは言いませんが、そんな故人を知りませんし、多くの場合、残す配偶者や家族の生活と将来を心配してた故人が多いのは間違いありません。

家族が精一杯の事をして送りたいと思う根底にあるのは仏教で言う『供養』と『感謝』ですから、故人を精一杯――、の気持ちは理解できても結局は残る家族の『してあげた感』の自己満足であり、それは故人の遺志に反するのを忘れてはいけません。

故人の希望通り「火葬だけして納骨」「火葬と散骨」「火葬と手元供養」等の葬式をして金銭面で無理をせず、「お父さんの一言で家族の生活を守る事ができました。最後まで頼りになる夫であり父親の姿は尊敬であり今までありがとうございました」ご遺体や遺骨に感謝をされるのが故人の希望と尊厳を守ることになるはずです。

葬式費用で無理をしなければ心に余裕がありますから『家族が毎日を元気な笑顔で暮らす姿を見せ続ければ、それ以上の供養などありません』そんな姿が見られたら、きっとお父さんも後ろ髪を引かれる事なく穏やかな心で逝けるのではないでしょうか。

葬式時の故人は何も話せませんから、家族から聞いた故人の話から「故人目線の真意」を冷静さを無くしてる家族に伝える事も葬儀支援のひとつだと思っています。

搬送直後より翌日や火葬時に「穏やかな顔になってる」と言う家族がとても多いのが当方の特徴のひとつ、これは開いた口を閉じて若干微笑んでるようにも見えるよう顔を整えるスキルがある事もありますが『家族の心に不安や心配が無いから穏やかな顔に見えるんじゃないかな』とも思う。

15年も支援活動を担当し続けると過去に喪主をされた方の葬式も増えており、生前の性格や感性や価値観がある程度分る故人もいますから支援内容と主旨も理解しており不安が無いのかもしれません。

その意味でも本人との事前相談や葬式の時に話した内容は大事、故人となった際の希望や不安や心配を当人自身の口から聞いてるのですから、その思いを叶えるのが使命です。

「癌」の余命宣告を受け自分で入会に来られた方々も多く、じっくり話しを聞きアドバイスした内容をメモしておく事で、その時が来ても故人の希望は明確に分かっています。

ただ自分で入会に来られた故人の多くは心配させたくないのか、子供達や自分の親や兄弟姉妹には伝えておらず全て「あんしんサポートさんに伝えてある」という流れが多いです。

その多くは「直葬系」で子供達に迷惑を掛けたくないと支払いも全て済ませてある方も多く、搬送時に故人の希望を聞いた子供達は「分かりました希望通りでお願いします」となりますが、両親や兄弟姉妹は「そんなの駄目だ」というケースもあります。

僕に「そんなの駄目ですよね!?」と賛同を求める方もおられますが「余命宣告を受けてから来館され数時間に渡り希望、不安、心残りなど聞き、当方からも本音のアバイスをして本人が決められた死後対処なのですから、故人が気にしてた「子供達」の意見以外は一切聞きません。故人との約束を反故ほごにはできません。僕が生前約束した事を守らなかったら、あなたが故人ならどう思いますか?」

そう言われて反論した家族はいませんが不服そうな顔をする家族もいますけど、故人との約束は何より優先されなければなりません。

これは僕の父親が自分の終幕を感じ近所の葬儀屋さんで直葬内容は全て決め、焼骨はハワイの海に散骨するよう記し、最後を看取った方は全て遺言通りにできて「よく頑張ったねって今も此処に居て見守ってくれてる気がします」と満足そうに話してくれた方から教えられた経験則です。

対象者毎に心配や不安や希望は違いますが、故人の心配や不安を解決してあげる事が死後最初にすべき供養となるはずです。

故人目線の葬式は間違いなく故人の希望に一番近い葬式になりますけど、固定概念に捉われたというか、宗教儀式が無ければ浮かばれない等の思考を持った家族や親戚間での摩擦も起きやすいので帳面やメモ書きのようなもので構わないから希望、お願い、心配事などを遺言に残して欲しいと思う。

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