「2」終幕前費用と宗教儀式

我想う支援日誌
この記事は約3分で読めます。

前回ブログで葬式費用だけでなく「火葬料」「遺骨処理」にも結構な費用が掛かると書きましたが、終幕はピンピンコロリとはいかず、死亡率1位の癌で緩和ケア入院なら1日1万円~、施設入所なら月額17万円は掛かり、別途で家族の生活費となれば蓄えが底をついても不思議ではありません。

日本は「高額な費用を掛ける事=供養心が強い」の如くの洗脳がまかり通り、100万円以上の葬式が当然のような印象すらあり、驚くのは葬式代を出す訳でもない親戚が口を出す事も多い事です。

葬式実践で一番大事なのは「家族が温かい心で送れること」だから余分な神経を使う親戚は来ないほうが良いが支援実践をしてきた人間の本音です。

葬儀支援の現場で17年間3千数百件を実践してきた結論で言うと葬式に100万円を掛ける意味も価値も感じません。僕は無信仰者ですから宗教儀式無用、基本は「直葬+散骨(一部手元供養)」費用総額は20万円もあれば充分、基本は家族だけで+αとして親交の深かった人を加えても10人未満に抑えられる。

葬式費用20万円は「金」の有る無しに関係なく、金銭的な余裕があれば存命中に使えば良く、残す家族の生活が心配ならそちらに回せば故人となる僕自身が悔いを残さず逝けるから供養になる。もし入院費・葬式代で家族に無理をさせたら死んでも後悔する事になります。

供養とは『故人の不安や希望を叶えてあげる事』であって僧侶の読経や戒名、派手な葬式、高額な料理を出す事ではありません。僧侶の読経が供養になるとしたら仏教信仰心のある人限定です。

この発想と思考はとても大事で冷静に考えれば誰でも理解できるはず、理解出来ないとすれば洗脳されているか、人として成熟してない自分勝手な性格のいずれかの人間であると思って間違いありません。

以上を大前提とした上で『依頼先は事前に決めて手続きしておく』ことです。間違っても逝去後に依頼先を探すような馬鹿な真似はやめましょう。もし、そうするなら例え「超高額」「イラつく」葬式だったとしても一切の不満は言わない覚悟をすべきで全ては自己責任です。

宗教者の選択

宗教儀式の有無、これも事前に決定しておくべき事のひとつ、引導を渡すとか、読経しなければあの世で浮かばれない等々は信者以外からすれば霊感商法であり戯言ですが、過去の慣習から宗教儀式が大事と思う人もおられるでしょうし、それを否定する気はありません。

宗教儀式が大事だと思い且つ菩提寺の布施額が適正であると思うなら菩提寺依頼で構いませんが、我々が良く耳にするのは「先代は良い住職だったけど今は――、」とか「布施が高過ぎる」と思うなら、菩提寺住職である必要はなくネット検索でも低料金で読経・戒名は授与して貰えます。

納得できない菩提寺で子供達に金の掛かる寺との付き合いをさせたくないなら、葬式が発生する前に「離檀」「墓閉じ」をしておく必要があります。毎年数十人の家族が離檀や墓閉じ相談に来られ家族目線のアドバイスをしてますから、経験者か当支援センターのような家族目線の専門家に相談しましょう。

前回「1」火葬場の料金も掛かります「2」終幕前費用と宗教儀式を熟慮した上で、尚且つ家族の希望に沿った内容と費用の依頼先を探しておかない限り希望する葬式などできません。

最大の難関は依頼先の決定

葬式代が数百万円でも全く問題の無い人なら大手葬儀社を中心に好きな所に依頼すれば良く、金さえ掛ければ普通の葬儀屋なら「温かく送る」以外なら、どんな希望も叶えてくれるはずです。

但し費用面に於いて制約のある家族は事前準備をしてなければ希望は叶いませんから『予算』『遺骨処理』『宗教儀式の有無』『使用する葬具・不要な葬具』などは次回以降に記載します。

コメント