一人暮らしのお婆ちゃん焼死

我想う支援日誌
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69才のお婆ちゃんから電話、入会したいけど移動手段が無く市内の自宅に伺って事前相談しました。

複雑な生い立ちのようで義理の父親から性的な暴行を受けてた事から人間不信になったのでしょうか、誰も信用できないが、唯一孫だけはと言ってました。

一軒家に一人住まいで唯一信頼するお孫さんとの同居が良いとは思いましたが、まだ70才前ですからさほど問題は無いだろうとの話しで落着きました。

終幕は10年20年後が普通ですから入会の手続きが済むと今は元気だけど人間はいつ何があるか分らないし独居生活は転んで骨折して動けなくなる事もある。

だから会員証は市から配布されてる筒に入れ冷蔵庫に入れておけば、もしもの時は連絡して貰える確率が高いけど早い段階で孫と同居するよう伝えました。

2015年11月10日午後6時入会から3年後、突然お婆ちゃんの孫と名乗る方から電話です。

「家が全焼お婆ちゃんも焼死、今は警察署にいるが冷蔵庫から自分にもしもの時は連絡するよう書かれたメモと会員証が出てきたので連絡させて頂きました」

「〇〇警察署ですか?」
「そうです」

「分りました。お婆ちゃんの希望は「ぱっく60」で10万円はお預かりしてますから消費税8,000円だけお預かりする事になりますが宜しいですか?」

「はい、結構です」
「分りました。担当の刑事さんに搬送できる日時の予定を確認したら再度連絡して貰えますか?」

「はい、分かりました。宜しくお願いします」

警察からの指定日時、警察署の裏にある冷蔵庫のある部屋前に寝台車を停めると担当官と冷蔵庫から白い不織布の納体袋を出します。

死体の腕か足に付けられたタグを外しますが見えたのは真っ黒で炭状になったお婆ちゃんの死体と焦げた臭いでした。

死体袋は基本2種類あり腐敗の少ない死体や体液の出ない死体は不織布のような袋、腐敗が進んだり体液の出る死体はターポリンかゴム製の袋を使用します。

不織布はそのまま持ち帰れますがゴム製の死体袋は袋から出して運ぶか同じ袋と交換すれば袋のまま持ち帰れます。

最低でも1万円以上はする為、警察では洗って使いますが弊社では新品と交換します。

体液が出ていると棺に入れても漏れない保証はありませんし慣れない人が見たらトラウマになるほどショックだし凄い死臭もします。

ターポリン製の袋のチャックをしっかり閉じた状態で納棺そのまま火葬するのが最善でしょう。

コロナ感染が再燃してますがコロナ感染死も同様の袋を使用する事になっています。

幸いにも今までコロナ感染死の会員さんはいませんが、その際は死体袋、使い捨て防護服一式2名分、車内消毒等の加算は避けらず3万円~の加算です。

火葬散骨は予定通り行いましたが、その後毎年お孫さんが盆法要に来ています。69才を冷静に考えれば老人ですが年寄りの自覚が無い人が多い。

自分一人で生活したほうが気楽なのも分りますが老いは確実に進行しています。

自分と同年代の人達を見て若いと感じるのか年寄りと感じるのかを確認して欲しい。

もし多くの同年代が年寄りに見えるなら自分も年寄りなのだと自覚すべきです。

しかし同居できる人が無い場合は毎日朝と晩に「元気かい電話」をしてくれる人か、独居老人同士でお互い様電話を毎日続けることをお勧めします。

日本の人は何でも行政に依存しますが行政が全て対応できる訳で無いのは現実を見れば分かります。

民生委員や自治会を通して『お互い様電話』もしもが心配される状況下での突入了解書など同意する人達だけでも作成し自治会等で預かるべきです。

救える命があるかもしれず、もしもの時も誰にも逢えない状態になる前に発見も可能です。

今回は老人対象で書いてますが実際は年齢など関係ありません。

若くても何が起るか分らない現実は何度も経験してるし若いと発見が遅れる傾向にあります。

一人で気楽に住むのは理解も納得もできますが、独居者や老人世帯は最悪の場合を想定し自己防衛しておくべきです。

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