⑫ 香典は個々の気持ち

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》香典返しは無用

自称葬式評論家なる人間は多いが大半は「葬儀社勤務経験あり」「葬儀関連勤務あり」という程度の事で評論家と言えちゃう神経の図太さに驚く。

まず葬式は地域毎に全て違い全国の葬儀社に勤務してた訳でなく極々狭い地域の慣習を盾にマナーだの常識だのと言われても「アホか」とか思えない。

千数百件の葬式を直接担当してきた僕でも群馬県という地域と他県の人は1割にも満たないのだから評論家とは思えない。

葬儀社に数年勤務した程度で全責任を持って担当した葬式でもないのに何が分る!? こんな感覚を日本語では『傲慢ごうまん』もしくは『知ったかぶり』と言う。

きっと葬儀社で長年働いてる人達も少し考える人なら同じような感覚ではないだろうか。

それはさておき理解できない事のひとつが『香典額』この点は葬儀社からすれば商売にならないので賛成はしないだろう。

『葬式は家族が無理しない範囲で行う』べきもので香典をあてに行うものではない。

余裕が無ければ「直葬」でも全く問題はなく、うちなら75.900円税込で済むし、その金も無ければ相談すれば問題ない。それと――、

一般は1万円、甥姪は〇万円、兄弟姉妹は〇万円、子供は〇万円等々、誰が決めた金額だ!?と思える事を平然と書いてある事もある。

千数百件の葬式をしたが香典額は家系毎にまちまちです。

ってゆーか香典は気持ちの問題だと思うから、それこそ「お気持ち」だし本来無用だと思う。当然だが返礼品も要らないし。それ以前に返礼品なんて欲しくねぇだろ!?

もっと理解できないのは香典額の半返しという習慣、なら半額包んで香典なしで良いだろうがと思う。大体に於いて香典返しの品物なんて欲しくない。

例えば公営斎場でも3時間は使えるだろうから3時間全てお別れの時間にすれば会葬者は自分の都合で来られるようになる。

「来場」→「記帳」→「お別れ」→「その後は自由」で良いんじゃねぇ。このほうがゆっくりお別れできるのは間違いない。

香典も無いし、返礼品もないし、服装は何でも構わない(仕事の途中なら作業着で充分)時間が来たら火葬して家族で拾骨して終了

残るのは家族だけで火葬中の食事も不要、どうしても必要ならお茶菓子程度で充分だろう。何ならお茶菓子を持ち寄る習慣が生れるかもしれない。

当然、お茶の用意も洗い物も全て来てくれた人達でする。家族にさせる必要もないし葬儀社の人間にさせれば費用が掛る。

書き方は荒っぽいが書いた流れをよーく考え欲しい。葬式で必要な事は『家族との別れの最後が葬式で根本は温かく送ること』それ以外の部分は全て簡素化できるだろう。

あんしんサポートで施行する葬式は2021年現在ほぼこんな感じで最も時間配分が長いのは「お別れで3時間から5時間」ほどある。

葬式の数時間で行うことの例
・女性なら家族の手で死化粧をする
・男性なら家族が髭剃りをする
・手足の爪を切って整髪する
・好きな服を故人の上に掛ける
・好きな食べ物や料理を棺に入れる
・故人が看て来た位牌類を足元に入れる
・家族によっては生花を入れる
・手紙や思い出の写真を入れる
・会葬者は予定された時間内に来る
・余裕があればお茶を飲みながら語る
・お茶菓子や食事を食べてる家族もいる

最後の別れは慌てる事なく自分達の思うようにのんびり過ごして欲しい為の設定です。

勿論、生前すべきお別れは具体的な事をしっかり事前相談でアドバイスしている。

また葬式後にすべき各手続きも個々の家族毎にしているから家族が迷うことはない。

つまらん習慣は止めて少しでも家族の負担を減らしてあげる事が葬儀支援の真髄だし、費用の心配ではなく心からのお別れができる手伝いをするのが葬儀支援だと思っている。