初めてのオークション
翌日午前8時14分オークション終了を確認、前日夜、翌日の流れをシュミレーションしました。
・午前7時30分事務所集合
・オークション終了1分前まで静観
・残り30秒で現在価格に2万円上乗せて購入!うむ、、完璧!!
翌日午前7時30分集合してパソコンを立ち上げると「オークション画面」と「残り時間画面」を立ち上げますが、昨日から動きはありませんので「残り30秒で2万円加算して入札すれば購入できる」と復習。
残り1分の表示を確認してクリックすると「あれ??」残り時間が9分に増えてましたので、慌てて「残り時間画面」を別途表示させる。オークョン説明欄を読むと残り5分を切って入札すると5分自動延長との事、という事は最低5分間は誰も入札しない時間を経ないと買えません。
昨日のシュミレーションは全く役に立たない――、
人生初のオークション、ドキドキしながら画面更新する度に価格は上がり20万円を超えた所、残り6分を確認して上乗せ額のクリックすると「あなたより高額な入札者がいて入札できません」の文字出現、1回、2回、何度もクリックの5回目ようやく【あなたが最高額の入札者です】を確認する。
すでに30万円を突破、千明は初めに出した隣のモニターにある「残り時間の画面」は時間が減り続けてたようで「あー終わっちゃう」「あー買えなかった」と1人で騒いでます。
武井「1人で何を騒いでいるんだよ」
千明「だって買えなかったじゃないですかぁ」
武井「はぁ? 残り時間増えてるじゃん」
千明「えっ、あ、ほんとだ良かったぁ」
武井「このまま行くと40万を超える可能性もあるけど、どうする?」
千明「予想より高いけど他で買ったらもっと高いですよね、この車を買ったほうが良いのでは、、」
千明も同じ事を考えてると分かり「その通り、じゃあ買うぞ!」とクリックを続け403,000円になった途端、ピタッと金額が動かず【あなたが最高額の入札者です】画面のまま待機、5分、4分、3分、2分、1分、30秒、10秒、そして【おめでとうございます。あなたが落札しました】の文字にガッツポーズ。
車体価格¥403,000+リサイクル料¥10,010+陸送費¥20,000=¥433,010で待望の霊柩車購入、続いて以前確認したストレッチャーのページに行き「送料込¥200,000では駄目ですか?」のコメントを入れると「お隣の県ですから良いですよ」の返信「すぐに振込みます」と伝えます。
銀行ATMから44万円おろし、続いて20万円おろそうとしても出てきません。「あれ、ATM壊れた?」と何度か試すが反応せず、あ、ATMの引き出し限度は1日50万円だ、、、霊柩車の振込を済ませると事務所に戻り、ストレッチャーは事実を伝えて翌日午前に振り込んで無事終了しました。
国交省の許可がいる!?
中古車ですけど、霊柩車とストレッチャーが届けば5万円火葬支援パックが稼働できるとの思い込みは、大きな間違いであると気付かされるのは、霊柩車を陸送してくれた方の言葉でした。
納車の日、届けて貰った美容室(現あんしん館)には30台ほどの駐車場があり、陸送車から降ろされた霊柩車は写真で見た通り真っ黒でピカピカに手入れされており、ワクワクしながら駐車場で少し乗ってから、運んでくれた方と事務所でお茶を飲むと「初めての霊柩車ですか?」と聞かれた。
「はい」と答えると「一般貨物自動車運送事業許可は?」と聞かれたので「それ何ですか?」と聞き返すと、霊柩車は緑ナンバーのトラック業者で国交省の許可が必要だと言われ詳細をお聞きしました。
「陸運支局への申請」は結構面倒で行政書士に依頼すると20~30万円、その後「横浜陸運で筆記試験」合格すると「登録免許税12万円」など色々教えてくれたのですが、聞いてる側の知識が無さ過ぎてチンプンカンプンですが国交省の許可が必要な事だけは分かりました。
陸送してくれた方は都内の霊柩搬送専門の業者さんらしく、尾崎豊さんの霊柩車を運転してたそうで、出棺時はファンが殺到して霊柩車を傷つけられて参ったと言ってました。「何か分からない事があったら何でも聞いてください」と言って帰られました。
ナンバーさえ取得すればすぐに稼働できるの思いは崩れ、稼働には半年近く掛かると言われたので早くて2月~3月、その間雨ざらしだとピカピカじゃ無くなりそうと、ネットで探すとパイプを連結させテントを被せる車庫が3万円ほどであったので注文して組み立てました。
この手の作業は超苦手、何とか組み立て終えると知り合いの人が来たので出来栄えを確認、群馬の空っ風に煽られたらテントが飛ばされて大事故になると言われ、、ガックーん、、
2人でどうしようかと相談した結果、テントでキャラメルみたいに車体を包んでしまえば良いんじゃねぇ? で決まり、敷いたテントに車体を乗り上げ、四方から被せてガムテープで止めると、ブルーシートながら巨大なキャラメルのような塊が駐車場に出現です。
包んでから年も明け3か月ほど経った頃、バッテリーが上がらないようにエンジンを掛けようとテントを剥がした途端「・・・・」2人で顔を見合わせました――、3か月前は若い女性のようにピカピカツルツルで鏡のように顔が写るほどスベスベのボディがシワシワガサガサのお婆さんに変身してます。
「えっ、えっ?、エーッ!?」車体全体が擦り傷だらけ、真っ黒だった車体は離れて見ると濃いめのグレーに変化したのを見た2人に言葉はなく「はぁぁぁぁ」深ーいため息しかでません。
それでも気を取り直し、本日の目的であるバッテリー確認の為に運転席に乗り込んでキーを刺し入れて右に回す、、シーン、、前方のフロントガラスの向こうで千明がニコニコとこちらを見ていますから、もう1度キーを右に回します。シ ――ン、、バッテリーご臨終の瞬間でした。
そこでボンネットを上げ、バッテリーサイズをメモしようと覗き込むと「ゴンッ」このクラウン、ボンネットの開閉ポンプが壊れているようですが、何台もクラウンに乗っており、同様の経験があったのですぐに理解できたし大した問題ではありません。
元々バッテリー交換は想定内でしたからネットで¥7,000の新品を注文、大問題のガサガサ肌の車体は稼働できる時まで待って専門業者で磨いて貰うことに、以降は雨ざらしのまま数か月放置プレー状態でした。
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