初めての葬式施行も含め葬儀屋毎と地域毎に様々な違いがある事が分かった事から、群馬県内を中部、西部、東部、北部の4か所に分けて施行代行してくれて信頼に足る葬儀屋さんを発掘しました。
当時の僕は「ど」素人ですから、葬式の打ち合わせは自分で行い施行作業は葬儀屋さんが完全代行、我々も手伝いながら施行作業を学びつつ、現行の疑問点を発見すれば改善したり、間違いと思えば正確な知識を学ぶきっかけにしたりと価値ある2年間でした。
ただ当方利益は殆どなく100万円の葬式で得られる利益は5万円だけ、後は葬儀屋、各業者への支払いで消えるので、頑張ったご褒美が幸楽苑で290円のラーメン1杯づつと餃子・半炒飯を1セット頼んで2人で分けて食べる2年間でした。
残りの利益は「経机1脚」とか、今回は「リンセット1個」と少しづつ葬具を揃えるのですが、葬具は思ってたより高く依頼数も少ないので揃えるまでに時間が掛かりました。
また同じ県内でも地域毎の葬儀屋によって違いがあったり、県内各斎場毎に流れと炉前に置く物も違うし、寺で言うと宗派による違いは勿論のこと、同じ宗派でも菩提寺毎に使用する葬具や読経も違うなど、結論として葬式に決まりは無く、その地域限定の決まりと思って間違いありません。
葬式は疑問のオンパレード
最初の疑問は葬儀屋の安置室で家族と話していると、依頼先の担当者が「ドライアイス交換しますね」と部屋に入った来た時、家族は「はい、お願いします」と言いましたが「ん? 交換?」と違和感を感じたので担当者の動きを見ていました。
すると昨日入れたドライアイスの包みを取り出し新しいドライアイスを入れ、外したドライアイスは持ち帰ったのです。家族は何も感じ無かったようですけど違和感を感じませんか?
ドライアイスは小さくなってもドライアイス(—80℃)で氷にはなりませんから、足らない分の補充は理解できるけど外す必要はないでしょ。 その場は黙ってましたが後で担当者に聞くと処分したと言うが、普通なら追加する毎に追加料金も発生します。
当方施行は安置も含め追加は一切ありませんでしたが、葬儀屋に直接依頼された家族は「棺」は昔の主流が含まれており、当方使用の棺にすると数万円加算、安置室使用料とドライアイスは毎日交換で1日2~3万円の加算という現実にも驚きました。
ドライアイスの当て方、口の閉じ方などにも疑問を感じた事から、死体の変化や正しい知識を書物から得るきっかけになったり、各地域毎に評判の良い4軒の葬儀屋の葬式の全てを2年間授業料も払わず経験させて貰えたのは、その後の支援活動に大きな財産となりました。
初めて新聞記事に取り上げられた内容は『世間相場の4割価格』のタイトル、当時は150名ほどの一般葬でも100万円は切る請求だから、4割価格なら一般の葬儀屋は250万円、全て自分達で行えれば、粗利益で155万円(粗利益率62%)の試算になります。
まずは利益よりも家族目線の学びを最優先したので仕方ありませんけど、その利益率なら『5万円火葬支援プラン』はそれほど難しくないと思いました(実際はそれほど甘くありませんでしたけど、、)
自分達だけで行う葬式
「5万円火葬支援プラン」を目指して2年が過ぎても完成する気配すら見えません。その理由は――、
病院等へのお迎え搬送(専門業者)1回¥25,000、自宅~火葬場まで¥20,000=¥45,000、「線香具一式」「ドライアイス15kg」「6尺山型蓋付白布棺」「死亡届代行」「7寸白骨壺一式」が最低限必要な葬具、これに「最低限の人件費」でも10万円では無理「利益」など論外です。
しかし、このままでは達成できないと経営してた美容室の路面看板の半分(高さ2m×幅3m)を使って『直葬プラン¥89,900』の看板を作成、千明から「それ出来ませんよ」と言われましたが、「そんな事は分かってるけど依頼が入るまでに何とかすれば良い」とゴリ押しです。
例え赤字でも実践しなければ改善点も見い出せず永遠に完成しない事と、美容室の看板にある直葬プランの宣伝を見ても、普通の感覚なら依頼しないと思ったのです。ところが掲載した直後に依頼が入ったので驚きましたが受けるしかありません。
前橋市は当時からバス型霊柩車を所有しており「自宅~斎場搬送」は¥6,010で済む、あとは病院へのお迎え搬送できる霊柩車を自社所有すれば「人件費」と「利益」を無視すれば、5万円直葬プランは可能になるかもしれないと分かったのです(いずれにしても赤字ですが、、、)
霊柩車取得ドタバタ劇場
霊柩車って何処で売ってるの? 皆さん同様の疑問から始まり、まずは施行依頼してる葬儀屋さんに聞くと新車価格の倍だと思えば良いと言われました。300万円の車両は600万円、500万円の車両なら1,000万円など到底無理、霊柩車に改装する事業者に問い合わせると中古でも250円~です。
ならばとヤフオクを毎日眺めていたある日、兵庫県淡路島で使用してた霊柩車(寝台車)2台の出品があり、オークションでなく入札、適当な価格を入札したけど買えず、後日落札価格を見ると50万円くらいでしたから何とか買える範囲の価格だと分かりました。
その後、日課となったヤフオクを見ていると「あったぁー!」黒塗りのクラウン霊柩車が現在価格15万円で出品されてます。後部がハッチバックで17万km走行しているので、知り合いの整備士さんに聞きます。
武井「平成9年のクラウンで17万km走ってたら、あとどれくらい乗れるの?」
整備「その年式クラウンなら整備さえしていれば30万kmは走るんじゃないかな」
ならあと13万kmは走れるってこと、屋根付きの車庫で管理されてたらしくピカピカ、出品者が搬送専門業者さんらしいので整備はバッチリ「ヨッシャー!これに決めたぁ」続いてご遺体を乗せて病院内を運ぶストレッチャーも必要です。
これも現在価格10万円(即決20万円)とストレッチャーの出品があるのも分かり、まだ締め切りまで数日あるので毎日観察、終了前日まで全く価格はあがりませんでしたから『霊柩車取得大作戦』を立てました。
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