「16」式場祭壇を無料で豪華に飾る

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2021年現在あんしん館式場祭壇(仏式)には30万円ほどの供物が飾られ、全てのプランで無料で使え直葬75.900円、ぱっく60の110.000円でも使います。

搬送直後は祭壇前で納棺、末期の水をとり、線香を供えますから実質日本一低価格で豪華だと自負しており利用者からは大好評です。

それもそのはず祭壇の飾りは葬式の時だけで葬式後は不要なものですから何も購入せずとも寂しくない葬式になり無駄も出ません。

この発想は葬儀屋勤務が無いから生まれたものです。

自分達で施行できず葬儀屋に依頼してた時、自宅布団に安置された故人の横に置かれた三段の後飾り祭壇には一膳飯と水と枕団子が乗った白木膳だけでした。

「寂しいけど仕方ないよね‥‥」
「うん‥‥」

小声の話しを小耳に挟み別室で千明に言います。
「祭壇に飾るものうちにいくつかあるよな?」

「はい、売り物なら灯篭が四種類と菓子盛あと斎場で使う四華花とかいくつかあります」

「キラキラ回転灯と小さい回転灯篭と菓子盛、四華花、他にもあったら持ってきて」

こうして賑やかな祭壇へと変わりました。

「あのぉ、飾り類は頼んで無いんですけど」

家族としたら当然の発言ですが、
「これ無料で飾ってるだけだから心配要ないよ。終わったら持って帰っちゃうけど(笑)」

「あ、そうなんですか、買わなくて良いんですか?」
「うちの倉庫も此処も一緒だし飾れば賑やかだしね」

笑ってアッサリ受け答えしましたが家族は申し訳なさそうにも嬉しいそうにも見えました。

あるお金を使わないのは気楽ですが無くて出来ないのは辛いはずです。僕が引き受けた葬式で家族に寂しい思いをさせたくありません。

ぶっちゃけ最初から後飾り祭壇を置かなければ良かったんですが一度置いてから片づけるのもね。

僕の本音は豪華である必要はなく飾りはどうでも良いのですが最後まで温かく送って欲しい思いがこんな物で失せるのは納得できないからでした。

ただ賑やかで豪華な祭壇を見た家族の顔は明るくなり葬式後に来てくれる喪主の友人達にも恥ずかしくないと言いました。

そうか俺は気にもならんどそんな事を気にする人もいるんだな、賑やかなだけで明るくなれるんだぁ。

この経験はその後も全ての葬式に活かされました。斎場での一般葬では祭壇前に「大」「中」「小」の灯篭を各一対を祭壇前両側に並べ祭壇の白木膳奥に四華花、祭壇両サイドには菓子盛一対など毎回無料で飾り続けうちの祭壇は豪華だと言われました。

これを活かしたのが、あんしん館式場祭壇で基本コンセプトは『何も飾れない祭壇』です。

祭壇の場所が空いてれば飾りたくなるのが心理――、なら最初から飾る場所が無く適度な量で豪華に飾ってあれば誰も飾りを買うとは言わない。

この予測は当たり家族も親戚も余分な出費を抑えられる式場になりました。たまに、
「うちも貰ってるから何か供えたいんですけど」

「なら別に1万円包んで「供物代」と書いて渡してあげてください」

灯篭なら最低1万円以上、自分の出費も減り家族は現金のほうが嬉しいです。

祭壇飾りだけでなく基本的な考え方は『最後まで温かく送る葬式』あんしんサポートの各プランは全てこれを実現させる為の手段です。

この考え方に徹すれば必ず温かい葬式と言われます。葬式の最後となる拾骨も僕自身が家族とワイワイ言いながら行いますが全国でも僕だけでしょう。

引き受けた以上は最後まで温かく送れる葬式にする。これが葬式施行を引受けた者の使命だと思う。