ぱっく60新設で散骨される家族が増えました。当時は現地近くで待ち合わせ家族も同行し家族自身が散骨しましたが件数が増えると問題も出てきます。
2014年2月家族に代わって代行散骨に行くと薄っすらと煙が立ち昇って見えます。
「ん!?あれ煙じゃねぇ?」近寄った千明が言います
「あ、火の点いた線香が立ってますよ」
「えっ、誰か家族が来たんだなぁ、冬山に線香って常識的に考えるかなぁ」
山火事にでもなったら散骨は出来ず今まで散骨した家族にも申し訳ない。
散骨を終えた帰りの車中対策会議です。
「冬山に線香はしゃれにならねぇよな、どうする」
「これから散骨は増えますかね?」
「間違いなく増えるな」
「なら今回みたいに代行散骨限定ですかね?」
「後々手を合わせる場所を作ってあげる必要がある」
「どういうことですか?」
「線香を供えた人は全散骨だろう散骨場が墓場だから来たわけで一部手元供養してる人は来ないと思うから充実させれば代行散骨だけで可能かもな」
「すみません。よく分からないんですけど――、」
「だよな(笑)まず散骨を三択にする」
① 全散骨
② 一部手元供養(他散骨)
③ 一部永代供養墓納骨(他散骨)
「永代供養墓ですか?」
「専用の永代供養墓に納骨すれば墓参りに行ける」
「でも永代供養墓を建てる場所と費用も掛かりそう」
1時間30分の車中会談で大枠の解決策は見えてきましたが『墓所』と『費用』の問題があります。
墓は1坪(1,5m×1,5m)を想定し費用が抑えられる作りにして図面を書き幼馴染に来て貰い説明と費用も提示します。
コンクリートで枠作り、薄い石を貼り既製品ドアを取り付け棚は湿気に強い既製品で費用は抑えると言うと幼馴染は納得しませんでした。
「俺が出せる費用は言った金額だから追加無しなら後は全て任せる」
「分かった。石の色は何でも良いよな」
「うん、全く問題ないけど拘ると損するぞ(笑)」
次は墓所、問題は万が一あんしんサポートの存在が無くなっても墓を守って貰えること。初めは行政の墓に建てる事を考えました。
ただ本来無い使い方ですから許可が出るまでに数年覚悟する必要がある。なら寺墓所を無料で借りるのが最善だろうと考えました。
但し檀家にならず寄付も払わず家族にも違和感の無い墓と考えると手伝ってくれる寺の墓所がベストです。
一番回数来てる寺に行き空いてた1.5m×2mの場所を無償貸与交渉をします。
「ここ空いてるじゃん、うちに貸してくれない?」
「良いけどまさか『ただ』じゃないよね?」
「ん、無料だよ」
「代表さぁ、無料の墓なんてねぇよ」
「造るのは1,000体入る永代供養墓だから仮に400体納骨したら追善供養は全てこの寺だろ?400軒は寺がひとつ増えたことに成らない?」
「なるほど確かにね。かみさんに相談してみるよ」
その結果、了解を得られ無事無償貸与の墓所に「あんしん一樹の陰」建立となったのです。
建立は現状の墓や永代供養墓の問題点を調べました。
・少子化により墓守不在が増え無縁墓が増えている
・公営墓地は年会費だけなのに寺墓地は事ある毎に金を取られ多額の寄付を要求される
・今の墓は墓守がいないと入れず墓閉じさせられる
・寺の墓を閉じて永代供養墓に移転は2回墓を買うのに最初の使用権料金は返さない
・誰でもいつか墓参りに行けなくなる
・転勤族にとって現行の墓は足枷になる
『これからの時代に適した墓の在り方を考えてみる』
・自分達の代だけ利用できる墓
・年会費だけは仕方ない
・いつか手元供養に切り替えられる
・改葬手続不要の方法を活かす
・地下墓地より地上の納骨堂
・10cm角の容器で粉骨納骨なら持ち運べる
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墓に僕の言葉で恐縮ですが次の詩が彫ってあります
『あんしん一樹の陰』
見知らぬ者同士が 偶然一本の木に寄り添う 是、偶然で無く 前世からの縁なり 心穏やかにて心安らかなる眠りをと祈る
》墓参は1年中いつでもできる
》好きな時に出して手元供養できる
》10cm角容器に密封袋の粉骨と火葬証明書も入れる
》納骨する棚は年別に分類三十三回忌も棚で分る
》いつでも出せる(出して持って来る費用5,000円)
》三十三回忌後は全て当方散骨場に撒く(無料)
》次世代に迷惑掛けることの無い墓
》子供達の足かせにならない墓
》自分達の代だけ使える墓
》あんしんサポートが無くなっても守れる墓
》自分が行けなくても他家族が参ってくれる
》檀家にならず寺への寄付類は一切ない
あんしん一樹の陰は初めから考えて建立した訳でなく散骨場に線香を供えた非常識な家族の行動を反面教師としての建立でした。
他に類をみない日本初の未来型の永代供養墓。我が人生を振り返ると誰かの真似でなく反面教師に学んでより良いものを目指す人生です。
永代供養墓に限らず何事に於いても利用者の本音から生まれたものは大抵好評価を得ますが、過去にもこれらを隠そうと思った事はない。
全国全県で真似すればその地域の人達は助かる――、そんな輪が広がってくれたら何よりです。