「10」あんしん館オープン

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5万円火葬支援パックが完成で話題になりNPO関連では千葉県の市会議員2名の方が主になり東京飯田橋で僕の講演会を開催してくれた。

全国から数百名が参加してくれたのを機に講演会、講習会の依頼もあり千明の食い扶持確保で手を引くつもりがそうもいかない雰囲気となる。

噂を聞き入会に来る人も増え始め国民年金で生活する老夫婦の相談で僕から出た言葉、
「基礎年金だけの生活は大変ですよね」

この何気ない言葉が相談のあとで気になって仕方がない「大変ですよね」は間違いないだろうが言ってる当人は1,000万円以上の年収がある。

『どんな綺麗事を言っても偽善だなぁ』我ながら自分の発言に吐き気がします。

その日からどうしたものかと事務所であーだ、こーだと考える日々が続き出した答えは、

・自分も相談者と同じ目線でなければ理解はできない
・美容師でも無いのに700万円出資で20年以上食えた
・20年も頑張ったスタッフにこの先報いられるのか
・店舗、顧客の全てを退職金代わりに渡したらどうか
・問題は収入源は絶たれると食える状況にない

53才で冒険して失敗したら――、の不安もありましたが今までの人生同様『流されてみるかぁ』と判断するとすぐに動きます。

株式会社は税理士に任せ決算に合わせ閉鎖手続き完了後商売の全てを無償提供するから、何かあれば来年4月の決算までに準備するよう伝えた。

これをスタッフに伝えた事で引き下がれなくなった。

この辺りは実に俺らしく『流れには逆らわず乗ってみる』と『背水の陣』これが凡人の僕にもできる経営術だと思っています。

ところが通達から1か月ほど経つと今の店舗は大き過ぎるし家賃も高くて払えないから店舗移転しても良いかと店長に聞かれた

移転の意思に変更はないか確認すると2011年12月、来年8月の契約満了日に解約するから次の入居者を探すよう家主法人に伝えると飛んできて、

「これからも借りてくださいよぉ」
「美容業は渡して俺は葬儀支援一本になるからさ」
「なら葬儀支援で使えば良いじゃないですか」
「死体を運び込んだら次に借りる人いねぇぞ」
「それでも良いですから――、」
「そっちは良くても、そんな金ねぇよ」
「なら、うちが改装して改装費は掛からないようにしますから何年か家賃上乗せで――、」

この担当者は当時部長でしたが現在は社長です。
こんな会話を何度したか借主は出たいと言い家主は全て自社で作るから借りてくれと一連の流れは千明も横で見て不思議がっていました。

結局、押し切られる形で、あんしん館図面は自分で書き5年間だけ家賃5万円値上げで決まりです。

ただ図面に書き忘れた祭壇を置く式場ステージとシャワーユニット追加で、僕の出費は税込21万円だけで、あんしん館開設となりました。

法人閉鎖は2012年10月31日付、あんしん館開設の11月1日付けで再契約22年間代表取締役を務めた株式会社は閉鎖しました。

食えない葬儀支援事業と家賃5万円値上げされた賃貸物件が残り毎月最低でも50万円以上の出費は確定したにも関わらず何故か不安はありませんでした。

また、あんしん館開設と同時に食えるのですから人生は何が幸いするか分りません。

あんしんサポートは全て横で見て来た千明も、この辺りの流れは不思議と言ってます。

あんしん館開設直後NHKの記者から連絡があり取材要請を受け全国放送の話しは次回。つづく