「5」『5万円火葬支援パック』を目指す

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葬儀屋をするなど考えた事はなく、祖父母、叔父叔母、母親、姉と家族の葬式で見た葬儀屋は、胡散臭いと感じていた。

他人の死体など見たくもないし死体を触るのも嫌ですから葬儀屋を自分でするなど論外、なのに葬儀屋と寺の嘘が分かってから火がついてしまった。

だから利用者にとって良い葬儀屋を紹介すればと捜したが見つからず、葬儀屋が狭い範囲で仕事をしてると知らず県内全域を対象とした。

結果、地域毎に依頼する葬儀社もでき地域の中なら間違いなく良い葬儀屋ですが何かが違うと思い続けた。

この時点では何が違うか分らずでしたが個々の葬儀屋は必ず拘りがある。返礼品、生花、湯かんなど色々あり「うちはお茶に拘ってます」という葬儀屋も多い。

旨いお茶を扱ってると自信満々に語るがお茶好きは100g1万円のお茶を飲んでるから、その人達からみればさほど良いお茶ではない。

お茶好きで無い人は飲まないし味に関心もなく全て葬儀屋の自己満足でしかないだろ?としか思えない。

一事が万事で全てこの感覚で利用する家族の目線ではないから納得できない。

初め感動した男性は羽織袴姿、女性は白無垢姿の綿衣裳も結局料金に転嫁される訳だし化粧を学んだ納棺師なら綺麗に化粧する。

でも故人目線なら他人の納棺師より娘や孫娘がしてくれる化粧のほうが嬉しいんじゃねぇかと思える。

もっと言えば豪華な葬式をして貰っても葬式後の生活に支障が出たり生活が大変な姿を見せられたら嬉しくないだろうと思う自分がいる。

やっぱ俺は葬儀屋がしたい訳じゃないとハッキリ自覚した事で『費用内容ともに家族目線の葬式』ようするに葬儀屋でなくやるなら葬儀支援と感じた。

それからはNPO協議会、市民活動支援センターに足を運び老人を中心に色々な話しを聞きました。

50人、100人と話しを聞いてると話しの内容が重複してくる。
・葬儀代はいくら掛るのか?
・100万円あれば死ねますか?
・葬式代が高過ぎる
・お布施が高過ぎる

葬儀屋は返礼品、生花など品質ばかりですが、利用する側の最重点は「料金問題」で内容の話などで無い。

何百万円も掛る葬式など出来ないという不安な話題ばかり、この意見は納得できるものばかりでしたから葬儀支援を求める人はいると確信した。

ところが葬儀支援って何をどうすれば良くて何ができる? 前例が無く最初から厚い壁に突き当りました。

ある日、配偶者を亡くしたお婆さんが言います。
「葬式したら後期高齢者保険から7万円出たよ」
「えっ、葬式後に7万円貰えたの?」
「そうだよ近々下がるって言ってたけどね」

市役所の国民健康保険課で話しを聞くと今は7万円支給で2008年4月から5万円に減額されるそうです。

とすれば5万円で火葬の段取りすれば前橋市は火葬料は無料だから一銭も無くても死ねるという事です。

目標が出来たと喜び勇んで戻り調べると火葬だけの葬式(直葬)が20万円前後だと分かりガッカリする。

と同時に焼くだけで何でそんなに掛るんだ? との疑問も生じ直葬に掛る費用を全て調べる事から葬儀支援は始まったのです。つづく