東日本大震災発生の10日前「2011年3月1日5万円火葬支援パック完成」の翌日、以前自宅訪問した事のある筋ジストロフィーという難病の方から電話、知り合いの息子さんが自宅で突然亡くなったが金銭面で余裕がないので助けて欲しいとの内容でした。
朝の通勤ラッシュ時間でしたが隣接市の自宅に伺うと6畳間の半分はタンス等が置かれ、隙間一杯に敷かれた布団に横たわった男性の掛布団を剥ぐ『で、デカイ、、』母親に聞くと身長185cm、体重150kgくらいだと思うと言われましたが、大半の人が使用する6尺棺では到底納まりません。
当時の棺の既製品は6尺、6.25尺、6.5尺(195cm)肘が張ったまま硬直したら無理、警察が組んだ合掌を外し「お母さん何か紐のような物ありますか?」と伝えると2階から帯揚げを持ってきてくれたので両腕を身体に沿わせ身体全体をギュッと縛り上げました。
持参した2.5kg6本のドライアイスは全て腹部に当てられるほど大きな体でしたが、5万円火葬支援パックは6尺棺を想定しており、特大棺なので追加が発生する旨を伝えると「うちは生活保護世帯だから出来るだけ安い葬式でお願いしたい」と言われました。
武井「ん? 今、生活保護世帯って言われました?家族揃って生活保護ですか?」
母親「うん、確かそうだと思うけど、、、」
武井「ならすぐ市役所に行って確認してきます。もしかしたら今回の費用は出るかもしれません」
母親「えっ、そうなんですか」
霊柩車に乗って市役所に同行して貰い突然逝去の旨と、葬祭扶助の申請書を受け取り担当者の説明を聞いていると「ドライアイスは認められてないんですよ」との言葉、この担当者は知識が無いと分かったので申請の流れだけを確認、死亡診断した医者に寄り死亡診断書を受け取り自宅に戻ります。
今回の火葬費用は全て葬祭扶助で賄える事を伝えつつ、職員が言ってたドライアイスも問題ないから心配いりませんと伝えるとお母さんはホッとしたようです。
自宅で6.5尺ワイド棺に納めた火葬前日、きっと沢山食べるんだろうなと思い3合の米を炊き1個1.5合の特大おにぎりを2個棺に入れてあげました。
火葬当日、近所の男性10人で持ち上げ霊柩車に乗せようとすると「この辺りは棺を1回転させてから霊柩車に乗せるんだよ」と言われましたが、棺を落としたら大変と中止、霊柩車に乗せ火葬場に搬送、ちなみに火葬には通常より倍の3時間掛かりました。
先述のドライアイスについては、申請時にも同様の事を言いましたので、よく確認するよう伝えると間違いに気づいたようで全額葬扶助で行われ骨壺に納まりました。担当者は3年で交代する事も多く全ての職員が正確な知識を持っている訳ではありません。
散骨場取得
話は少し前後しますが、あんしんサポート葬儀支援センターを設立後、あちこちで講演会を依頼されたり、企画したりで話しを聞きにきてくれた方々と話すと、少子化問題は想像以上でしたから僕なりの近未来予測をすると墓守不在の家族は確実に増え墓閉じ(墓終い)が増えるのも必然です。
当時「樹木葬」の言葉が出始めてましたが、樹木葬は墓の法律が適用される事から、法律に縛られない散骨が増えると確信、散骨には「海」と「山林」があるが海は憂慮する課題があるのと、日本は土に還るの発想があるので山林散骨と決めていました。
海での散骨のほうが簡単ですが、湾内や近海の散骨になるので、原発事故の風評で大変な思いをされてる漁師さん同様の風評はあり得ますから、他人の生活を壊してまで行うのは間違いの思いから山林散骨で土に還すの発想が無難。但し地元民からすれば決して気分の良いものではないから散骨場との明言は無用と考えました。
また墓閉じで出した遺骨を「散骨」か「手元供養」なら行政発行の改葬手続き無用、但し多くの人が勘違いしている点として『散骨は国が許可している遺骨処理ではありません』簡単に言うと散骨に適用する法律がなく「禁止されてはいない」の見解が正しいと思われます。
以上の視点と見解から散骨は必ず増える。なら「自社散骨場所有」することで「散骨利益」と「墓閉じ」からの利益を補填すれば、多少の赤字プランなら持続できる可能性が見えてきます。
国民健康保険から支給される5万円で骨壺に納まれるプランだけは何としても完成させたい理由は、団塊世代全員が80才の終幕期を迎える2030年代には、独居老人が日本で5番目に人口の多い埼玉県民よりも多い750万人に成り得ると個人的な試算になったからです。
その最大要因は子供達が両親と同居せず老人2人の世帯が増え続けており、夫婦どちらかが終幕を迎えても今まで別居してた人の同居は難しいからですが、年金は夫婦時代の半額近くまで下がるけど、電気水道光熱費に変化はなく食費もさほど減らず、医療費は加齢に比例して増えます。
そんな老人が高額な葬式なんて出来ますか? ましてや子供は当てに成りません。でも国民健康保険にさえ加入してあれば葬祭費5万円が支給されますから、極端に言えば一銭も残さずとも終幕後の肉体を火葬して遺骨を骨壺に納められるなら、最低限の死後費用の心配をしながら生きる必要はありません。
この死後費用の不安や心配をすることなく生きられる世の中『これが大事なんです』最終的には行政が手を差し延べてくれたとしても、存命中に気を病んでの生活では意味がないんです。
もっと言えば、どう考えても実質年金は減り続けるしかなく、生活保護は増え続け、団塊世代の終幕は2035年辺りがピークとなるので死後費用の補填金が増える算段はできませんかんんら「火葬だけの葬式」をして「焼骨処理」まで低料金で行うには山林自然散骨がベストになるはず、、、
とはいえ山林取得・名義変更しなければ散骨場として使用できませんから、県内どの地域が良いか、市町村条例、立地条件など結構面倒な行程が必要ですから、支援活動の中で追々考えようと思っていたのですが、その機会は突然訪れたのです。
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